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スペシャリストとゼネラリスト

2010.5.12作成

社会人となって、会社や組織で働くと、キャリアというものを問われます。

普通言われるキャリアというのは、なにかスキルを専門的に習得する方向であり、言い換えるなら物事を深く堀り下げたり、一定のスキルを積み上げるという垂直方向のスキルになり、一般的には専門家=スペシャリストと呼ばれます。

スペシャリストが、縦方向のスキルを持っているのに対して、総合職・事務職などと呼ばれる人たちは、幅広い知見があり、特定の分野に強いというわけではないが、どのような仕事でもこなすことができる、水平方向のスキルをもっており、一般的には総合職=ゼネラリストと呼ばれます。

一般的な傾向としては、男性はスペシャリスト、女性はゼネラリストの気質を持っていることが比較的多くみられます。

スペシャリストは特定分野のスキル、たとえば、営業、技術などに特化することが必要になりますが、多くの場合、自分に適した分野であれば能力を発揮できますが、自分に適していない分野だと全然能力を発揮できないということに陥るため、どの分野を選ぶかは、自分の適性も含めて非常に重要になります。

ゼネラリストは、特定分野ということではなく、どのような仕事でもこなすことができるという特質を持っているため、自分に適していない分野を見つける事の方がむずかしくなります。

上図は、スペシャリストとゼネラリストの能力(スキル)分布を模式的に表していますが、スペシャリストは特定の職種分野が突出しているのに対して、ゼネラリストは何かが突出するというのではなく、全ての分野について、一定の能力(スキル)を持っています。

ところが、ゼネラリストの方(多くは女性)が自分の適職は何かを探すとき、どの職種、すなわち、営業とか企画、開発、製造といった職種で見てどれが自分に向いているのかを考えることが多いため、自分に向いている職種が見つからず、ずっと悩んでしまっている場合があります。

私のカウンセリングに来られる女性の方は、スペシャリスト的な気質より、ゼネラリスト的な気質を持っている方の方が、多いという傾向があります。

ところが、会社の中で、収益を生み出す中心的な役割を果たしているのは、スペシャリストであるように見えるので、ゼネラリストが自分も会社の役に立つには、スペシャリストを目指そうとする傾向はどうしても強くなります。また、世の中一般に言われるキャリア論がスペシャリストをターゲットとする傾向が強いため、ゼネラリストの多くの方が、自分のキャリアについて迷っている傾向が見られます。

ゼネラリストの場合、自分が会社の役に立っているのかどうか不安、長期的に自分のキャリアをどうしたらいいのか不安、そもそもこの仕事が合っているのかどうか不安といった、キャリアに対する不安があります。つまり、スペシャリストのキャリア論を自分にあてはめてしまって、自分はどうしたらいいのか迷っているわけです。

スペシャリストは、あくまでも専門家でしかなく、自分の得意な分野以外は、能力を発揮できないということです。スペシャリストな人たちだけが集まると、専門の仕事はできるが、それ以外に必要だけど、しなければならない仕事は、ほったらかしになります。なので、会社としては、ビジネスの形態をなしていない状態になるので、結果として、ビジネスは停滞します。

一方で、ゼネラリストの人は、トータルで物事を見ることはできるが、スペシャリストの人にくらべると、専門性が低くなってしまうため、企業の収益に対する直接の貢献度が実際よりも低いように感じてしまいます。さらには、人によっては、ゼネラリストの仕事を「(実際はそうではないのですが)単なるコスト」としか見ていない人もいるため、さらに自己評価が下がってしまう傾向があります。

しかし、ビジネスをうまく回して行くためには、スペシャリストとゼネラリストを上手に組み合わせることが、非常に大切です。なので、ゼネラリストの人は、自分をスペシャリストの人のスキルと直接比較して自己評価を下げるということをすることをやめて、ゼネラリストは会社という円盤を上手く回すための回転軸であり、その円盤上にスペシャリストが乗って仕事をしているのだという考え方をするのが良いでしょう。

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